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小説 神秘アンチエイジング&エロス 153 黒ずみ [小説 神秘アンチエイジング&エロス ]

男は紺色のスーツを着ている。
服はしかしかなりくたびれていて、遠目に見てもところどころシワがあるのが分かった。
身長は瑛次より5cmほど高そうで、髪は7・3で軽く左に流していた。
瑛次が男の姿を認めたときから携帯を左耳へ当てている。
時おり口を動かして、誰かと話をしているようだ。
自分の車を覗きこまれているというだけで異常事態である。
しかしそれ以上に男の顔つきが普通ではなかった。
顔立ちは比較的整っているけれど、顔全体に雲がかかっているような不確かさがある。
特に目の辺りが黒ずんで見えて、その黒ずみが目の前方の空間へも漂い出している感じだ。

※この作品の中には現実のアンチエイジング方法や健康法などが出てきますが、その作品中で言及される効果などに関してはあくまで小説上のできごと、つまりフィクションであるとお考えください。
実際の効果には、個人差などがあるものだと思われます。
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2月3日「ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション」ゆうぽおとホール。ちょっとした感想。 [愛とバレエ]

2月3日、「ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション」を観るためにゆうぽおとホールへと向かう。
五反田駅を出たら意外にも粉糠雨が降っていた。
(帰りに傘を買わなきゃならなくなると嫌だなあ)などと思いながら小走りでホールの階段までたどりつく。
バレエをゆうぽおとホールで見るのは久しぶりだ。
入るとその渋すぎる内装に(ああ、ゴージャスな気分でバレエを観るなんて、日本では無理な話だったんだ)と改めて痛感。
比べても仕方ないがパリのガルニエ宮くらいになると、中にはいるだけでもチケット代を払う甲斐があるというのに。

「ルグリ×ド・バナ×東京バレエ団 スーパーコラボレーション」。
第1部が35分で「クリアチュア」と「ザ・ピクチャー・オブ・・・」。
第2分が60分で「ホワイトシャドウ」。
すべてパトリック・ド・バナの振り付け作品だが、結論から言えばソワレのすべての演目をド・バナ作品だけで上演には変化の乏しい内容だったと思う。
悪くはない。
どの作品も「いい」のだけれど、「凄い」と思わせるものがない。
第1部と第2部でがらりと雰囲気の違う作品を見せてくれたらもっと楽しめたのだろうけれど、トーンは3つの作品とも同じに思えた。
だから第2部「ホワイト・シャドウ」の60分という時間をかなり長く感じてしまったのだ。

とは言え、マニュエル・ルグリ、オレリー・デュポンを観ることができただけである程度満足はできるのだけれど。
2人はそのくらい「凄い」バレエダンサーなのだから。

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「日本映画界現代最高の女優」と「世界映画史最高の女優」  「映画女優 若尾文子」(四方田犬彦・斎藤綾子編著 みすず書房) [ルコ的読書]

「日本映画界現代最高の女優」として吉永小百合宮崎あおい、麻生久美子を挙げたけれど、決して「パーフェクトな女優」とは思わない。
それは日本映画界が本当に人間性を抉るような作品を作ることが少ない、あるいは多くの観客がそのような「重さ」を期待していないなどといったことが関係しているかもしれない。
おそらくバブル時代の前後から、日本の社会の主流は「重さ」を怖れ、忌避し、その裏返しとしてさらに軽蔑するようになった。
軽蔑は時に「畏れ」と表裏一体だ。
それでも宮崎あおい、麻生久美子はかなり泥沼のような感情の表出を試みた作品に出演している。
けれどそのような作品は残念ながらマニアックなアートフィルムとして限られたファンしか観ていない。
では世界の映画界からわたしが「ほぼパーフェクト」と敬愛する女優を何人か挙げてみよう。
現在存命していない女優も含めてみる。

ロミー・シュナイダー
アヌーク・エーメ
リリアン・ギッシュ
ジャンヌ・モロー
イザベル・ユペール
エマニュエル・べアール
ナオミ・ワッツ

他にもいるだろうが、すぐに頭に上ったのは彼女たちだ。
リリアン・ギッシュはサイレント時代の大スター。
最も力を発揮していた頃のロミー・シュナイダーは、わたしの永遠の憧れだ。
そして日本映画史上でこれら女優たちと並び称することができるのは誰かという話になれば、やはり若尾文子が真っ先に出てくる。

ところで舞台の役者ではない、もちろんテレビ女優でもない、「映画女優」とはいったい何なのだろう。
短い言葉で適切に語ることなどできないが、次の四方田犬彦の文は一つのヒントとなる。


スクリーンの中の演技は、厳密に再生と反復が要求されているわけではない。極端なことをいえば、ある瞬間に思いもよらぬ演技が炎のようにきらめくということがあればいいのであって、要は機会を逸せずにそれをフィルムに定着させておくことができるように、すべての段取りを整えておくことが必要とされる。

       「映画女優 若尾文子」(四方田犬彦・斎藤綾子編著 みすず書房)

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吉高由里子に出演してほしいタイプの映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」 のおもしろさ。 [吉高由里子]

映画として「羊たちの沈黙」の影響が濃い「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」に「新しさ」や「本物のインパクト」を望んではいけないが、それでも見どころたっぷりの作品であることに間違いはない。
まずはリスベットを演じたノオミ・ラパスの造形だ。
多少なりともパンクを知っている者にとってあのファッションはおとなしい方だし、トラウマがリスベットの凶暴性を創り上げたという話も定石通りだが、天才的ハッカーであるリスベットがPCを持って様々なことと争うというライフスタイルがカッコいい。
社会の歯車とはまったく違ったマージナルにいながら「社会の本流」を打ち倒していくイズベットは、確かに続けて観たくなる登場人物だ。
一部で残虐過ぎるとされる「例のシーン」もある。
ラブコメ映画などだけしか観たことのない人にはショッキングなシーンだろう。
しかしいまだ社会に多く存在する「女性を蔑視する男」に悩まされた経験のある人には溜飲を下げることができる可能性がある。

話題はやや逸れるが、「女性を蔑視する男」は「女性に敬意を払う男」にとっても不快な存在なのです。

吉高由里子にもいつか演じてほしいのが「羊たちの沈黙」「セブン」「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」などのような犯罪映画。
日本ではなかなかうまく作れないが。
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「隠し剣 鬼の爪」 [末尾ルコ(アルベール)の成長する小さな映画批評]

「隠し剣 鬼の爪」山田洋次監督

「藤沢周平原作・山田洋次監督」三部作の中ではもっともエモーショナル度が低い。その点がやや物足りない部分でもあり、けれど「鬼の爪」を出すシーンで「ハッ」とする効果につながっている。「鬼の爪」シーンはクールそのもの。山田洋次の美意識を強く感じた。

6点
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「アバター」の3Dに立体感に関する感想 [生と死のためのアート]

アバター」については様々な感想が語られているが、もはや映画界だけの話ではなく、今年のことは近い未来から<「アバター」が映画の記録を塗り替えた年〉として記憶されるだろう。
これを持って3Dが映画の主流になるとは思わないが、ここでは「アバター」の3Dに関して感想を述べておきたい。

「アバター」の3D。
まず「急に何かが飛び出て来てビックリ」的なこけおどしはなかった。
その点はよかったと思う。
そして奥行き。
これは確かに感じた。
では立体感はどうか?
実は立体感はさほど感じなかったのだ。
奥行きはあったけれど立体感は今ひとつ。
この「奥行き」というのは「遠近感」と言い換えることもできる。
簡単に説明をすれば、手前のもの、中間のもの、奥のものといった距離感はよくでているけれど、それぞれの「もの」がまるで「ついたて」のように平面的に見えるのだ。
人間を例に挙げれば、「肉」の持つ圧力などはほとんどかんじなかった。

これは私の感想だが、つまり3Dもまだ改善の余地があるということだろう。



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