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小説 サワナミの永遠に報われぬ恋 21 あるいは嫌悪? [サワナミの永遠に報われぬ恋]

気になる異性がいくらか無様な言動をした場合、それを見た「気にしている異性」はどう感じるか。
大きく分けて2通りある。
より愛しく感じるか、あるいは軽い嫌悪を覚えるか。
あくまで大きく分けてであって、この間にいろいろな段階があるわけだし、この間から大きく逸脱する感情が生じることもある。
サワナミはこのと「軽い嫌悪」まで行かない程度の感情。
この場合「失笑」と表現すればいいだろうか。
しかし「失笑」の中にも、ときに「軽蔑」、ときに「嫌悪」、ときに「愛しさ」が含まれる場合もある。
サワナミの心にこのとき生じた感情は、「軽い軽蔑」に近かった。
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小説 サワナミの永遠に報われぬ恋 19 技 [サワナミの永遠に報われぬ恋]

「あ、こんにちは」
女はかなりわざとらしく「今、気がつきました」という芝居をした。
蜷川幸雄が監督であれば、「何やってんだ、クソバカ~!」などと叫びながらものを投げるところだろう。
サワナミは内心失笑したが、口元には優しげな笑みを湛え続けることを忘れていなかった。
女はサワナミを直視することができず、相対しながらも眼球は上下左右に微動している。
(ああ、こんなことおれにもあったなあ)
女の所作の意味が手に取るように分かるのは、サワナミ自身「今、気がつきました」技を昔はよく使っていた経験による。

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小説 サワナミの永遠に報われぬ恋 18 恋の経験 [サワナミの永遠に報われぬ恋]

女は取り乱している。
取り乱している姿を悟られぬようにするという意識も生じないほど、女は「取り乱す」という経験さえほとんどないようだ。
つまり恋の経験に乏しい。
そう言えばサワナミは恋の経験の乏しい女と付き合ったことがあっただろうか。
少年時代はもちろん恋の経験のほとんどない少女との恋愛が多かった。
しかし成人してからは・・「もう恋愛にも疲れちゃって」などという女が多かった。
もちろんそれは必ずしも恋の経験の多さを意味しているセリフではないが。

「こんにちは」
サワナミはあたふたする最中の女に声をかけた。

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小説 サワナミの永遠に報われぬ恋 15 一瞬の感情 [サワナミの永遠に報われぬ恋]

弁当屋の女はその日、帯根町の店にいた。
(あ)
サワナミの心に現れた音は、(あ)だった。
嬉しくは全然ない。ものすごく嫌でもない。ちょっと鬱陶しい・・そんな感じ。
少なくとも今日は女と話するつもりはなかったから、言葉を何も準備していない。
けれどサワナミにとっては(あ)程度だったが、女にとっては(あ)どころか、(あああーーー)くらいだったようだ。

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サワナミの永遠に報われぬ恋 プロローグ  [サワナミの永遠に報われぬ恋]

サワナミ(佐波奈巳)は男。
いくら女性とつきあっても、報われたと感じた経験がない。
恋で報われないサワナミは、
自分の存在が「永遠に孤独」であると既に決定されているのかという疑問を持つ。

サワナミの恋の物語は、
毎回少量ずつ書いていく「少量小説」の形をとります。

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