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●我が母、心臓バイパス手術後闘病記94日目~病室でトランジスタラジオ~フロントガラスのカミキリムシ。 [「言葉」による革命]

●我が母、心臓バイパス手術後闘病記94日目~病室でトランジスタラジオ~フロントガラスのカミキリムシ。

末尾ルコ「母の話、病室での出来事、昆虫の美」

6月21日(金)手術後94日目
転院59日目

病室には小さなトランジスタラジオを持ち込んでいて、別に忌野清志郎を気取ろうというわけではなく、テレビつけっ放しだとお金がどんどんかかるし、つけていても今の母はそんなに興味を示さないし、わたしにとっても不快なストレスになるのである。
しかし何らかの音が欲しい時間もあって、確かに網戸にしていたら鶯の鳴き声などは聞こえるけれど、それだけで満足するほどわたしは風流が練れていない。
そう言えばこの前、「かなり高い空間を、多くの蜻蛉が飛んでいた」お話をしたが、6月19日の午後だったか、車を運転していたらフロントガラスに小さな虫が留まっている。
黒を基調にしているが、蛍光緑の紋様が綺麗で、どうやらカミキリムシの一種だ。
カミキリムシはわたしの最も好きな昆虫で、幼い頃に「虫博士」などと呼ばれていたお話も何度かしたが、けれど大人になってから虫を触るのは苦手になっている。
とは言えカミキリムシを見るのは嬉しく、どうして好きかと言うとその姿形の美しさであるとしか言い様がなく、まったく無駄のないラインにひしひしと造形の美を感じる。
自宅に着き車から降りて、その虫をしばらく眺め、家の中へ入った。
次に車に乗った時は、もうその虫はいなくなっていた。
で、話は元へ戻るが、病室ではテレビをつける時間は少なく、トランジスタラジオを流していることの方がずっと多い。
テレビだとあの長方形の画面の中で雑多な情報が行きかう印象だが、ラジオはラジオというオブジェを離れて空気中に音が溶け込む感じがいいですな。
ラジオをつけているだけで、番組を問わず独特な雰囲気が醸し出てくる。
いい意味でのノスタルジックな雰囲気も。
今はネット環境さえあれば自分の好きな音楽をいくらでも聴けるけれど、そういうのとはまた違う体験なのですね、ラジオから曲が流れてくるのは。
リスナーからのリクエストを受け付ける番組でよくこんなメッセージが読まれるわけです。

「自分の好きな曲はいつでも自分で聴けるけれど、ラジオから流れてくるのは特別なんです」

そうなんです。
リクエストした曲がかかるのも特別だろうし、何となく流しているラジオから流れてくる曲に(ハッ!)とさせられることも多い。
それは知っている曲の場合もあるし、知らない曲の場合もある。
わたしにもそうした印象的な経験はよくあるが、例えばある時カーラジオからふとオッフェンバックの「ホフマンの舟唄」が流れてきて、いたく心に沁みた。
そういう時は音質なんかは関係なくなる。
AMラジオの微妙なノイズの向こう側から聴こえてくる女性声楽家の「ホフマンの舟唄」。


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(。・_・。)2k

最近 車に乗らないので聴く機会が減りましたが
ラジオから流れた曲で泣いてたりすることありました
なんで 泣いたか分からないんですが沁みたんでしょうねぇ

by (。・_・。)2k (2019-06-28 02:34) 

ぽちの輔

カミキリ虫がタラの木に入ると枯れてしまうので困ります。
3~4年育てて大きな芽が採れる太い木になった頃に
芯を食われちゃうんですよね^^;
by ぽちの輔 (2019-06-28 06:07) 

ニッキー

昔はFMのチャンネルを色々合わせて
ラジオを聴くのが好きだったけど、
最近は車でも聞いてないです。
不意に懐かしい曲とか流れてくると
とても嬉しくて感動します=(^.^)=
by ニッキー (2019-06-28 07:35) 

hana2019

哀愁を帯びた旋律、リズミカルであり、時には力強さもある「ホフマンの舟歌」…私も久しぶりに聴いてみましたが、すでに先の見えている我が人生、様々な思いから心に響くものがありますね。
この曲が使われた映画のひとつに「ライフ・イズ・ビューティフル」があります。 ロベルト・ベニーニが監督主演し、カンヌ映画祭で受賞。またアカデミー賞でも主演男優賞、外国語映画賞を受賞しました。
その授賞式の様子をたまたま旅先のカナダのホテルでライブで見る機会があり、彼の喜びよう、おどけた派手なパフォーマンスが会場内で受ける様子も知ってはいるものの・・・肝心な映画の出来そのものは、ありきたりなストーリー、演技は勿論、特に印象に残るものは見当たらず、このレベルでなぜと言った疑問しかありません。
主人公の明るさ、コミカルで大げさな軽さの中に、状況が状況だけに考えさせられる部分はありながら、全体の作りそのものは軽々しく感じられてなりませんでした。

私、カミキリムシと言いますと、触角の長い黒い身体に斑点のあるものと思っておりましたけれど、「玉虫厨子」で知られるリタマムシも、カミキリムシと同種であったのですね。
子供の頃の田舎は、夏の夜間は家中明け放しつているのが常。その明かり目指して、様々な虫たちが飛び込んできていたのを思い出します。
日々の生活で聴くCDは、自分の好みで選んだもの。
…と比較し、たまに耳にするラジオでの曲には、思いもよらない出会いがあるもの。
仰る通りに郷愁を覚えるものであったり、馴染みがあるに関わらず懐かしく感じる曲であったりして、人間のもつ記憶など、経験の割りにはささやかなものであるのをこのような時さえ痛感するのです。

by hana2019 (2019-06-28 10:13) 

ゆうみ

ラジオから 流れる曲も特別なら
語りを聞くのも特別なんです。
学生時代 テレビを持てなかった私は
ラジオが 大事な相棒でした。
by ゆうみ (2019-06-28 14:37) 

TBM

私もいつからか虫を触るのが苦手になって
しまいました。
色、形等に「美」は感じますが。
by TBM (2019-06-28 22:02) 

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